「請求書って何を書けばいいの?」「消費税や源泉徴収の計算が合ってるか不安…」——フリーランス・個人事業主になりたての頃、誰でも一度は迷います。
この記事では請求書に書くべき必須項目・金額の計算方法・インボイス対応の書き方を、テンプレートと具体例付きでわかりやすく解説します。
請求書に書くべき必須項目7つ
法律上、請求書に決まった書式はありません。ただし取引先が経費計上・税務処理できるよう、最低限これだけは書いておきましょう。
- 発行日(請求書を発行した日付)必須
- 請求書番号(管理用の連番。001、002…など)
- 請求先(取引先の会社名・担当者名)必須
- 自分の情報(氏名・屋号・住所・連絡先)必須
- 品目・数量・単価・金額必須
- 消費税額・合計金額必須
- 振込先口座(金融機関名・支店名・口座種別・口座番号)必須
- 支払期限(例:2026年6月30日まで)
- インボイス登録番号(適格請求書発行事業者の場合)インボイス
- 源泉徴収税額(対象業種の場合)
請求書テンプレート【見本付き】
実際の請求書がどんな見た目になるか、テンプレートで確認しましょう。
(担当:山田 様)
| 品目 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| Webサイトデザイン制作 | 1式 | ¥200,000 | ¥200,000 |
| バナー制作(3点) | 3 | ¥15,000 | ¥45,000 |
お支払期限:2026年6月30日
※振込手数料はご負担をお願いいたします。
「お振込金額」は「小計+消費税-源泉徴収税額」です。源泉徴収が発生する取引では取引先が源泉税を納付するため、その分を差し引いた金額を振り込んでもらいます。
消費税・源泉徴収の計算方法
請求書で一番ミスが多いのが金額の計算です。順番に確認しましょう。
① 消費税の計算
原則として報酬に10%(または軽減税率8%)を加算します。
請求額 = 報酬額 + 消費税額
例)報酬20万円の場合:200,000 × 10% = 20,000円(消費税)
請求額 = 220,000円
消費税の課税売上高が1,000万円以下の免税事業者でも消費税を請求することは法律上可能です。ただしインボイス非登録の場合、取引先が仕入税額控除を受けられないため、値引き交渉をされることがあります。
② 源泉徴収の計算
デザイン・ライティング・プログラミング・イラスト・コンサルティングなど、個人への業務委託報酬は原則として源泉徴収の対象です。
振込金額 = 報酬額 + 消費税額 - 源泉徴収税額
例)報酬20万円の場合:
源泉徴収 = 200,000 × 10.21% = 20,420円
振込金額 = 200,000 + 20,000(消費税)- 20,420 = 199,580円
原則は消費税抜き(報酬額)に対して計算します。ただし請求書で消費税を区分記載していない場合は消費税込み金額に対して計算します。請求書では必ず消費税を別途記載しましょう。
| 業種・職種 | 源泉徴収 | 税率 |
|---|---|---|
| デザイナー・イラストレーター | 対象 | 10.21% |
| ライター・編集者 | 対象 | 10.21% |
| エンジニア・プログラマー | 対象 | 10.21% |
| コンサルタント・講師 | 対象 | 10.21% |
| 翻訳・通訳 | 対象 | 10.21% |
| 物品販売・小売 | 対象外 | — |
| 法人への請求 | 法人側が判断 | — |
インボイス制度対応の請求書の書き方
2023年10月から始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)に対応するには、適格請求書発行事業者として登録し、請求書に登録番号を記載する必要があります。
インボイス対応請求書に必要な追加項目
- 適格請求書発行事業者の登録番号(T+13桁の数字)インボイス
- 税率ごとに区分した消費税額(10%・8%が混在する場合)インボイス
- 税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の対価の額インボイス
国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で自分の登録番号を確認できます。登録申請をしていない場合は免税事業者のため、インボイス対応請求書は発行できません。
インボイス登録すべきか?判断の目安
| 状況 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| 取引先がほぼ法人 | 登録する | 仕入税額控除のために必要。未登録だと値引き交渉リスクあり |
| 取引先が個人消費者のみ | 任意 | 消費者はインボイス不要のため影響小 |
| 売上1,000万円以下の免税事業者 | 取引先と相談 | 登録すると消費税納税義務が発生するためコスト増 |
請求書でよくある間違い5つ
初めて請求書を作るときにありがちなミスをまとめました。
❌ 間違い① 振込先口座の記載漏れ
「振込先がわからない」と取引先から連絡が来るのが一番多いパターンです。金融機関名・支店名・口座種別・口座番号・口座名義(カナ)をすべて記載しましょう。
❌ 間違い② 消費税の計算ミス
「報酬200,000円(税込)」と書いてしまうと、消費税込みの金額なのか税抜きなのかが不明確になります。必ず「小計(税抜)」「消費税(10%)」「合計(税込)」を分けて記載してください。
❌ 間違い③ 支払期限を書かない
支払期限がないと取引先が後回しにしがちです。「〇月〇日までにお振込ください」と明記しましょう。取引先と合意している場合は「月末締め翌月末払い」などの文言でも構いません。
❌ 間違い④ 源泉徴収の対象なのに記載しない
源泉徴収の記載がないと取引先が金額を計算して差し引くため、振込金額が予想と違うと混乱します。源泉徴収対象の業種は必ず源泉徴収税額と振込金額を記載しましょう。
❌ 間違い⑤ 請求書番号をつけない
番号がないと後で「どの請求書が支払われたか」の管理が困難になります。INV-2026-001のような連番をつける習慣をつけましょう。
請求書の保管・電子化のルール
発行した請求書は税法上の保管義務があります。
| 申告種別 | 保管期間 | 対象書類 |
|---|---|---|
| 青色申告 | 7年間 | 請求書・領収書・帳簿類 |
| 白色申告 | 5年間 | 請求書・領収書・収支内訳書 |
電子帳簿保存法への対応
2024年1月以降、電子データで受け取った請求書はデータのまま保存する義務があります(紙への印刷保存は原則NG)。PDFでやり取りする場合は電子データのまま保管し、検索できる状態にしておく必要があります。
・受け取った電子請求書はPDFのままフォルダで保管
・ファイル名に「日付・取引先・金額」を入れると検索対応になる
・例:
20260531_株式会社〇〇_220000.pdf
プロプラン(月580円)の証憑管理機能では、アップロードしたPDF請求書・レシート画像を取引日から7年間クラウドに自動保存。日付・取引先・金額が検索可能な状態で保管されるため、フォルダ整理やファイル名管理の手間が不要になります。電子取引データ保存の要件に活用できます。
請求書を効率よく作る方法
毎回Excelやワードで作るのは手間がかかります。以下の方法で効率化できます。
方法① Excelテンプレートを使う
国税庁やfreee・マネーフォワードが無料テンプレートを公開しています。一度作ったフォーマットを使い回すのが一般的です。ただし消費税・源泉徴収の計算を手動で確認する必要があります。
方法② 請求書作成ツール・アプリを使う
請求書専用ツールなら消費税・源泉徴収の計算が自動化され、PDF出力・送付記録管理まで一括でできます。インボイス対応の請求書も自動で作成できます。
方法③ 経費管理・確定申告アプリと連携する
請求書の発行と経費管理を同じアプリでまとめると、売上の入力作業がゼロになり確定申告の準備が大幅にラクになります。AiXcelでは請求書の発行(全プラン無料)から経費の記録、さらに申告区分に応じた決算書類の自動生成(無料=収支内訳書/スタンダード=青色申告決算書/プロ=複式簿記・貸借対照表)まで一括で管理できます。